スタッフブログ
こんにちは。山口市米屋町の「ふじもと呉服店」スタッフの立石です。
いよいよ二十歳の集いが近づいてきました!振袖はもちろん、着物を冬に着る機会は、皆様なかなかないと思います
「どれくらいの防寒が必要ですか?」と、この時期とても多く質問をいただきます。
令和8年山口市二十歳のつどい開催のお知らせ
今日は、
「振袖の見た目を崩さず、きれいに、でも暖かく過ごす」ための
成人式目前・完全防寒ガイド を一気にまとめてお届けします。
はじめて振袖を着るお嬢様、寒がりのお嬢様を持つお母様。
どうぞ安心して読み進めてくださいね。

目次
1.振袖って冬はどれくらい寒い?まず知っておきたい“冷えポイント”
2.冬の振袖、防寒の基本はこの3つ
3.インナー・カイロの正しい使い方(失敗しない上半身の温め方)
4.首元・手元・足元の“末端冷え”を守るコーデ術
5.天気別・当日のシミュレーション(晴れ/雨/雪)
6.成人式当日を快適にするための「食事・小物・予行練習」
7.防寒も振袖選びの一部。ふじもと呉服店で相談できます
1.振袖って冬はどれくらい寒い?まず知っておきたい“冷えポイント”
まず結論からお伝えすると、
「振袖は見た目ほど“薄着”ではありません。
でも、“部分的にとても冷えるところがある”装いです。」
振袖は、
肌襦袢 → 長襦袢 → 振袖 → 帯
と重ねて着るため、着物全体で空気を抱え込み、
この重ね着構造自体が体温で温められた空気の層をつくり、暖かさをキープする仕組みになっています。
さらに、ほとんどのお嬢様が お腹まわりに補正用のタオル を巻きます。
●補正タオルの役割は「美しく快適に着るため」
補正タオルには主に次の2つの役割があります。
1)お腹・ウエスト・腰の段差をなくし、振袖をまっすぐ美しく見せる
2)腰紐が直接食い込まないよう、クッションの役割をする
こうした補正のおかげで、
振袖の胴まわりはしっかり安定し、長時間でも苦しくなりにくくなります。
汗も吸ってくれるため、汗冷えを防ぐ役割もあります。
それでも冷えるのは“末端”。この3か所は要注意
振袖で特に冷えやすいのは以下の3か所。
・首まわり(うなじ〜鎖骨)
・手元・袖口
・足先・足首
着物は「首」「手首」「足首」という“3つの首”が外に出ているため、
冬はここから冷気が入ってきます。
特に 首元は体温を大きく左右する部分。
足元も草履+足袋が薄く、地面の冷たさを拾いやすいため、
成人式当日の快適さに大きく影響します。
振袖は構造上、
胴まわり=暖かい
末端=冷えやすい
という特性があります。
このポイントを理解しておくと、
必要以上に厚着することなく、見た目も美しく、快適に過ごせるようになります。
2.冬の振袖、防寒の基本はこの3つ
ふじもと呉服店では、毎年たくさんのお嬢様の成人式をサポートしていますが、
その中で分かったことはとてもシンプルです。
「防寒対策は、この3つだけおさえれば十分」 ということです。
下手に厚着をすると、
暖かいどころか「動きづらい・苦しい・着崩れる」という逆効果になります。
ここでは、それぞれのポイントを深掘りしてお伝えします。
1)見えないように“薄く・部分的に”温める
振袖は「衿元・袖口・裾」が大きく開いているため、
洋服とは違って インナーが見えやすい構造 になっています。
だからこそ、防寒アイテムは
・薄く
・部分的に
・外から見えないように
という3拍子がとても大切。
●厚手インナーよりは薄手インナー
・衿元からインナーが見える
・会場が暑くても、気軽に脱げない
・腕が上がりにくくなり窮屈
●暖めるべきは“胴体”ではなく“末端”
胴体は重ね着で空気の層ができ、意外と暖かい部分。
逆に末端(首・手・足)は外気をもろに受けるため、
極端に厚着をするよりも、薄くても 効果の高い場所だけ温める のがポイントです。
「寒い時はとりあえず厚着!」という感覚は一度忘れてOKです。
2)脱ぎ着できるアイテムで“体温調整可能”にする
成人式当日は、
・早朝の着付け → 外はまだ暗くて寒い
・移動中 → 雪・雨・風
・式典会場 → 暖房で暑い
・写真撮影 → 再び外へ
…と、寒暖差が本当に激しい1日 です。
そのため、最初から「厚着して完璧に温める」のは逆効果。
●ショール・ストール・ケープは“温度調整アイテム”
・室内では外す
・移動ではしっかり巻く
・写真撮影ではふんわり肩にかける
これだけで体温の上がりすぎ・下がりすぎを防げます。
「着込みすぎて暑い → 脱げない → のぼせる → 気分が悪くなる」
というトラブルは、実は成人式で毎年あります。
着物は構造上、洋服のように簡単に脱いだり着たりできません。
寒暖差が大きい日こそ、外側で調整できるアイテムが必須 です。
3)首・手先・足先の“末端を重点的に温める”
着物の寒さ対策で一番大事なのはここ。

●ポイントは「3つの首」
・首
・手首
・足首
この3つが風にさらされやすく、最も冷えやすい部分。
●首は体温調整の司令塔
首が冷える → 体全体が急激に冷える
首が温かい → 全身が楽
ショールやストールは単なる“飾り”ではなく、
健康面でも非常に重要なアイテムです。
●袖口は“穴”になっている
振袖の袖口は洋服より大きく開いているため、
冷気が入りやすい構造です。
そのため、
・アームウォーマー
・手袋
などで、外出時だけでも手元を温めると効果絶大。
●足元は「地面の冷たさ」を拾う
草履は底が薄いため、
アスファルトの冷たさが足に直接伝わります。
足袋・ストッキング・足先カイロなど、
組み合わせて“底冷え”を防ぐ必要があります。
◎まとめ:防寒の鉄則は「厚着ではなく、戦略的に温める」
振袖は形が決まっているため、
防寒のやりすぎは 見た目・着付け・体調 に影響します。
だからこそ、
●見えないように薄く・部分的に
●脱ぎ着できるアイテムで調整
●冷える場所だけしっかり守る
これが振袖で美しく暖かく過ごすための
シンプルで最強の3原則 です。
3.インナー・カイロの正しい使い方(失敗しない上半身の温め方)
●インナー選びは「衿ぐりの広さ」が最優先
振袖は衿を後ろへ抜いて着るので、
丸首インナーだと、うなじ側が見える ことがあります。

・衿ぐりが前後とも大きく開いたタイプ
・色はベージュなど
・袖丈は半袖〜七分袖
を選んでください。
寒さが心配で長袖にしたい場合は、
「袖をまくる」「前後逆に着る」という裏ワザもあります。
成人式当日の着付け時に見えてしまうインナーは脱いでいただく場合もあります。
●貼るカイロはNG!理由は3つ
よく聞かれる質問が「カイロはどこに貼る?」ですが、
答えは “貼らない” が正解です。
理由は、
・帯で押さえられて“低温やけど”の危険
・暑くなっても、脱げないので剥がせない
・振袖の生地が痛む可能性がある
そのため、
●手に持つカイロ(使い捨て or モバイルカイロ)
を使うのがおすすめです。
近年は モバイルバッテリーがカイロになるタイプ も人気。
ただし成人式当日に初めて使うより
普段のお出かけで一度試して使い心地を確認しておきましょう。
関連記事はこちら▼▼▼
おしゃれも防寒も叶う!成人式振袖のインナー選び
4.首元・手元・足元の“末端冷え”を守るコーデ術

●首がとにかく寒い! → ショール・ストールがオススメ
・水鳥のショール:振袖セットに含まれる定番のショール
・シルバーフォックス・ミンク:大人っぽくリッチ
・カシミヤストール:防寒力も日常使いも◎
・ケープ:袖を通さず羽織れるので振袖向き
迷ったら「白」。
レフ板効果で本当に顔が明るく見えます。
●指先・手元 → アームウォーマー or 手袋
袖口は冷気が入りやすいので、
・レース手袋
・ベロア・ニット手袋
・肘下まであるアームウォーマー
などが使えます。
ネイルが長いお嬢様は手袋が引っかかりやすいので、
指先が出るアームウォーマーが安心です。
●足元 → 和装ストッキングや、五分丈スパッツ
振袖は、巻きスカート状なので足元が冷えます。足首まであるレギンスやスパッツを履くと階段や、座った時にチラ見えすることも。五分丈ぐらいが安心

ベージュの和装ストッキングという選択肢もあります。
・足袋型(二股)で草履が履きやすい
・足の甲にクッション入りで鼻緒が痛くなりにくい
・トイレもそのまま行けるタイプもあり
当日いきなり履くよりは、一度履いて使い勝手を確認してください。
寒がりさんは、
五本指ソックス+一回り大きい足袋 という方法もあります。
ただし草履が窮屈にならないか必ず試着を。
5.天気別・当日のシミュレーション(晴れ/雨/雪)
山口市はそこまで豪雪地帯ではありませんが、
毎年気温も天候も大きく変わります。
「去年大丈夫だった」はあてになりません。
●晴れているけど極寒
・ショールは必須
・室内は暖かいため脱ぎ着しやすい軽い防寒を
●小雨・みぞれの日の対策

・大きめの傘(柄が振袖を邪魔しないシンプルなもの、蛇の目傘風も可)
・替え足袋(濡れると冷えと不快感が強くなるため必須)
・移動はブーツ(会場近くで草履に履き替える)
・透明の雨コート(振袖が見えたまま守れる)
・草履カバー(草履は構造上、底に穴があり水が入りやすい)
●草履は“雨に弱い構造”になっています
草履は、鼻緒の付け替え・メンテナンスができるように 底に小さな切り込みが空いている 作りになっています。
そのため
・水たまりを踏む
・みぞれで道路が濡れている
という場面では、靴底から水が入り、草履が痛む原因になります。
草履カバーを用意しておくと安心です。

●パールトーン加工の振袖は、雨水を弾きます
ふじもと呉服店で振袖をご購入いただいた場合、
振袖には 撥水加工(パールトーン加工) が施されています。
多少の雨では弾いてくれますが、
・泥はね
・道路の汚れ
には要注意。
濡れたタオルでゴシゴシこするのは厳禁です。
そのままか、汚れだけ優しく擦らないように取り、早めにふじもと呉服店へお持ちください。
●雪の日の対策
雪が積もる日は、足元が滑りやすく危険です。
・会場まで歩きの方はスポーツ用品店などで売っているスノーブーツ(滑り止めがしっかりしている) → 会場近くで草履に履き替え
・時間に余裕を持って移動する
・草履カバーで雪から足袋と草履を守る(カバーの靴裏に滑り止めはありますが、ビニール製なので滑らないように、歩幅狭めで気をつけて歩いて)

とにかく「濡らさない」「滑らない」が最優先です。
関連記事はこちら▼▼▼
振袖で雨の日も安心!成人式・お出かけの雨雪対策&お手入れガイド
●着物用のコートは振袖に合う?種類と注意点
「雪や雨の日、着物のコートは必要ですか?」
というご相談もよくいただきます。
着物用コートにはいくつか種類がありますが、
振袖は袖が長く、一般的な着物コートだと袖が収まらないので、袖を畳む事になります。
価格が高めなので成人式後にも“着物を楽しみたい方”にとっては購入する価値があります。
ここでは代表的な種類をご紹介します。

●着物の雨コート(レインコート)
・撥水性が高く、雨・みぞれに最強
・二部式(下が巻きスカート状)タイプは振袖にも比較的着やすい
・ポンチョタイプのレインコート 着物用じゃなくても使える場合も。帯が崩れないように大きめや背中に余裕があるものがおすすめ
本格的な和装コートよりお手頃価格。持っていると安心。
●羽織
カジュアル向け
着物の上に羽織って、羽織紐で前を留めます。
羽織は室内で羽織ったままでOK
成人式会場では、せっかくの振袖が隠れるので会場に入る前に脱ぎます。
●道中着
着物と同じように襟を交差させて前についている紐を結ぶカジュアルなコート
絹・ウール・春夏向けの薄い生地など
お婆さまや、お母様が持ってるかも
●道行コート(みちゆき)
四角い形の衿あきでボタンで前をとめる。和装コートの定番。
お母様や、おばあさまが持ってるかも
羽織や道中着よりフォーマル
絹など
●振袖用のコートは高額。しかし「着物ライフ」を始めるなら価値あり
羽織や道行コート、道中着など
振袖と同じくらいの価格や、それ以上になるものもあります。
だからこそ、
「成人式後も着物でお出かけしたい」
「紅葉・梅・桜の季節に散策したい」
こんな方にはよくおすすめしています。
着物のコートは季節行事や美術館・旅行など、
一年を通して楽しめるアイテムです。
振袖をきっかけに、
「着物って楽しい!」
と興味を持つお嬢様は本当に多いですよ。
ふじもと呉服店では、火曜日・土曜日に着付け教室を開催しています。
紅葉シーズンに着物を着てお出かけしたり、美術館に行ったりと着物を楽しむことができます。
6.成人式当日を快適にするための「食事・小物・予行練習」
●朝食は絶対に抜かない!
朝食を抜くと体温が上がらず寒さを感じやすくなります。
・温かいスープ
・おにぎりやパンなどの炭水化物
・卵・肉・魚のたんぱく質
体を温めるために必須です。
●予行練習がおすすめ
振袖は早めに準備しておくと
・友達と着て初詣
・自分で着付け練習
など「実際の寒さ」を体験できます。
自分がどれくらい寒がりか把握できる貴重な機会なので、
防寒の適量が分かるようになります。
7.防寒も振袖選びの一部。ふじもと呉服店で相談できます
防寒といっても、
・体質(寒がりかどうか)
・振袖の素材や色
・当日の移動手段
・写真を撮るタイミング
によって必要な対策は大きく変わります。
「寒がりだから不安」
「インナーは何を買えばいい?」
「ショールは母の物でも大丈夫?」
そんな小さな疑問も遠慮なくご相談ください。
成人式目前の今こそ、
振袖と一緒に“防寒の不安”もスッキリさせておきましょう。
ふじもとでは、お嬢様の魅力を最大限に引き出す素敵な振袖コーディネートをご提案します。
自慢のコーディネートをぜひお試しください!
当店では、無料の試着予約を受け付けています。
ぜひお気軽にご予約いただき、あなたの魅力を一層輝かせる振袖をお選びください。
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素敵な思い出となる特別な日を一緒に演出しましょう。ご予約をお待ちしております!







