スタッフブログ
こんにちは。
山口市中央商店街・米屋町にあります、ふじもと呉服店の原田です。
振袖のご相談を受けていると、お母様から「成人式の振袖は家にあるから大丈夫です」「親戚から振袖を譲ってもらったので、それを着せようと思っています」というお話をよく伺います。
確かに振袖があれば、成人式の準備はできているように思えます。ところが、何年、何十年もタンスから出していない振袖や、どなたかから譲り受けた振袖は、実際にお嬢様が着られる状態なのかを早めに確認することが大切です。
また、「振袖は成人式で一回着るもの」と思われている方も多いのですが、成人式以外にも活躍する機会があります。
今回は、手元に振袖がある方に多い見落としや、特に忘れられやすい振襦袢のこと、寸法とお手入れ、今風のコーディネート、成人式後の楽しみ方まで、実際のお客様のお話を交えながらご紹介します。
「家にある振袖をそのまま着られる?」「ママ振袖を今風にできる?」「成人式が終わったら、もう着られない?」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.振袖が家にあれば本当に大丈夫?

「お母さんの振袖があるから、うちは準備を急がなくても大丈夫」
そう思われているご家庭は少なくありません。でも、その振袖を最後に広げたのはいつでしょうか。
お母様の成人式以来、二十年、三十年とタンスにしまったままの場合、見た目には分からなくても、シミ、カビ、変色、縫い糸の劣化などが進んでいることがあります。
きれいにしまったつもりでも、衿元にファンデーションの跡が残っていたり、袖や裾に薄いシミが出ていたりすることもあります。
また、振袖本体がきれいでも、帯、振襦袢、小物、草履、バッグまで今も使えるとは限りません。
「家に一式ある」ということと、「成人式で安心して着られる」ということは同じではないのです。振袖がある方こそ、時間に余裕のあるうちに一度すべてを出して確認しましょう。
2.何年も出していない振袖は状態を確認

振袖をタンスから出したら、まず確認したいのが汚れや傷みです。ふじもと呉服店では、主に次の点を確認します。
- 衿、袖口、裾に汚れがないか
- 汗ジミ、黄変、カビや気になるにおいがないか
- 生地や縫い目にほつれがないか
- 長年の保管で縫い糸が弱くなっていないか
- 帯に折れ、汚れ、ほつれがないか
- 振襦袢の半衿や袖が振袖に合っているか
- 帯締、帯揚、小物がそろっているか
- 草履やバッグが劣化していないか
特に昔の草履は、外見がきれいでも接着部分が弱くなっている場合があります。成人式当日に歩いている途中で底が剥がれてしまっては大変です。
シミがあるからといって、すべてを直さなければならないわけではありません。着付けをすると隠れる場所なのか、写真に写る場所なのか、成人式後もご姉妹やご親戚が着る予定があるのかによって、必要なお手入れは変わります。
まずはプロに状態を見てもらい、ご希望とご予算に合わせて、クリーニングやお直しが必要かを考えましょう。
3.見落としがちな振襦袢とは?

ママ振袖のご相談で、意外と見落とされるのが振襦袢です。
振襦袢は、振袖の下に着る長襦袢のことです。振袖の長い袖に合うよう、袖丈も長く作られています。薄いピンク色のものが多く見られますが、白やそのほかの色もあります。
おばあ様の世代が大切に保管していた一式を、お母様やお嬢様が受け継いだ場合、「この薄いピンク色の着物は何に使うの?」と、振襦袢だと気づかれないことがあります。
また、「振袖と帯があれば全部そろっている」と思われ、振襦袢を家に置いたまま、振袖と帯だけを持って来店されるケースもあります。
一般の着物用の長襦袢は、振袖より袖が短いため、そのまま合わせることはできません。
振袖と振襦袢の袖丈が合っていないと、振袖の袖口から振襦袢がはみ出したり、袖の中で収まりが悪くなったりして、美しい着姿になりません。
「振袖の下に着ていたものがあった気がする」という場合は、タンスの中をもう一度探してみてください。振袖と別のたとう紙に入っていることもあります。
どうしても振襦袢が見つからない場合でも、ご安心ください。振袖の袖丈や裄丈などを測り、寸法に合う振襦袢を用意できるか確認します。
4.「振袖と帯だけ持ってきました」お客様のエピソード

以前、ママ振袖のご相談で、お母様とお嬢様が振袖と帯を持って来店されました。
「これで全部です。私が成人式で着たときも、この振袖と帯を使いました」
確認すると、振袖の下に必要な振襦袢がありませんでした。そこでお母様に「薄いピンク色などの、振袖の下に着るものはありませんでしたか?」と伺うと、しばらく考えたあとに、
「そういえば、何に使うのか分からない薄いピンク色のものがありました。必要だと思わず、持って来ませんでした」
とおっしゃいました。
後日、あらためて持って来ていただいたところ、振袖と同じ袖丈の振襦袢で、そのまま使えることが分かりました。お母様も「捨てたり、別のものだと思ってしまわなくて良かったです」と安心されていました。
別のお客様では、振襦袢を一般の着物にも使えると思い、訪問着用に袖を短く直していたこともありました。振袖に合わせると袖丈が足りなかったため、そのままでは着用できず、振袖に合う振襦袢をあらためて準備することになりました。
振襦袢は、成人式当日の写真ではほとんど見えません。そのため忘れられがちですが、美しく、着崩れしにくく振袖を着るための大切な一枚です。
「これも必要なのかな?」と迷うものがあれば一度まとめてお持ちください。必要なもの、使えるもの、買い足すものを一緒に確認しましょう。
5.着られるかどうかを左右する寸法

振袖の状態と同じくらい大切なのが寸法です。
お母様とお嬢様の身長が同じくらいでも、体型、肩幅、腕の長さは一人ひとり違います。主に確認するのは、身丈、身幅、裄丈、袖丈です。
特に見落とされやすい裄丈は、肩から袖口までの長さに関係します。実際に羽織ると、身頃は問題がなくても、袖口の位置が短いことがあります。反対に全体が大きく、きれいに着るための調整が必要になる場合もあります。
さらに、振袖と振襦袢の袖丈が合っているかも確認します。これは数字だけで判断するよりも、振袖と振襦袢を重ねて、実際にお嬢様に試着していただく方が確実です。
多少の違いなら着付けで調整できることもあります。
お直しが必要な場合も、生地の縫い込みが残っていれば寸法を出せる可能性があります。いきなりお直しを決めず、まずは試着して確認しましょう。
6.ママ振袖を今のスタイルに蘇らせるコーディネート

お母様の振袖を見たお嬢様から、「少し昔っぽい」「自分の好みとは違う」「このままでは着たくない」と言われることがあります。
でも、そこでママ振袖を諦める必要はありません。
振袖そのものが上質で素敵なら、衿元や帯まわりを今のトレンドに合わせることで、お嬢様の理想のイメージにバ-ジョンアップすることができます。
刺繍半衿や重衿を合わせると、お顔まわりが 一気に華やかになります。帯揚や帯締には、ビーズ、パール、ビジュー、レース、フリル、くすみカラーなど、今のお嬢様に人気の要素を取り入れられます。
帯を替えるのも効果的です。昔の帯には重厚感のあるものが多い一方、現在の振袖用の帯は軽く、長さのあるものも多いため、華やかな変わり結びを作りやすくなっています。
もちろん、昔の帯や小物を必ず替えなければならないわけではありません。お嬢様に似合い、全体のバランスが良ければ、そのまま生かすのも素敵です。
最初は乗り気でなかったお嬢様が、小物を一つずつ合わせるうちに「この色が可愛い」「キラキラを入れたい」「レースも合わせてみたい」と笑顔になることがあります。
ママ振袖は、お母様とまったく同じ姿で着るものではありません。ご家族の思い出を受け継ぎながら、今のお嬢様らしい一着にできるのです。
7.振袖は成人式以外にいつ着られる?

「振袖は成人式でしか着られない」と思われがちですが、未婚女性の第一礼装として、成人式後にも活躍する機会があります。
- 大学や専門学校の卒業式で袴と合わせる
- ご友人、ご親戚、ごきょうだいの結婚式
- 結納やご両家の顔合わせ
- 祝賀会や格式のあるパーティー
- 初詣や記念のお出かけ
成人式では華やかな帯結びと可愛らしい小物、結婚式では少し落ち着いた色の小物というように、場面や年齢に合わせて印象を変えられます。
あるお客様も、最初は「成人式が終わったら、もう着ることはないですよね」とおっしゃっていました。お話を伺うと、翌年にご親戚の結婚式があることが分かりました。
成人式では華やかで可愛らしく、結婚式では帯揚や帯締を替えて上品にコーディネート。同じ振袖でも違う一着のようになり、ご親戚にもとても喜ばれたそうです。
お嬢様からも「一回だけだと思っていたけれど、また着られるなら楽しみです」と笑顔でお話しいただきました。
振袖は、一度きりの衣装ではありません。帯や小物を替えながら、その時々の自分に似合う装いを楽しめる着物です。
8.購入した振袖だからできる楽しみ方

購入した振袖の良さは、着たいと思ったときに何度でも着られることです。成人式、卒業式、結婚式、結納など、そのたびに小物や髪型を変えて楽しめます。
お嬢様の寸法に合わせて仕立てられるため、美しく着付けやすいのも魅力です。将来、妹様やいとこ様が着られることもあります。寸法を確認し、小物をその方らしく替えれば、また新しい振袖姿が生まれます。
お母様からお嬢様へ、お姉様から妹様へ、そしていつか次の世代へ。家族の節目ごとに思い出が重なっていくのは、購入した振袖ならではの良さです。
もちろん、レンタルには保管やお手入れの負担が少ないという良さがあります。購入、レンタル、ママ振袖のどれが正解ということではありません。
ご家族のご希望、今後着る機会、ご予算、お嬢様のお好みによって最適な選択は変わります。最初から一つに決めず、それぞれを見て、着て、比べてから考えてみましょう。
9.試着で初めて分かること

振袖は、見るだけのときと実際に着たときで印象が大きく変わります。
「派手すぎる」と思っていた色がお顔を明るく見せたり、好きな色でも全身で見ると少し寂しく感じたりします。柄の見え方も、広げた状態と着た状態では違います。
ママ振袖の場合も、まずはお嬢様に着ていただくことが大切です。
寸法が合うか、色や柄が似合うか、今ある帯や小物が使えるか、新しいものを合わせるなら何色が良いか。一つずつ試すことで、「これなら着たい」と思えるコーディネートが見つかります。
ふじもと呉服店での試着は、基本的に洋服の上から体験していただけます。試着したからといって、その場ですぐに決める必要はありません。
ママ振袖と新作振袖の両方を着比べることもできます。写真やカタログだけでは分からない、お嬢様に似合う色と着姿を確かめてください。
10.まとめ|まずは振袖一式を持って試着へ

ご自宅に振袖があっても、何年もタンスにしまったままなら、汚れ、ほつれ、寸法、振襦袢、小物、草履バッグの状態を確認する必要があります。
特に振襦袢は、「何に使うのか分からなかった」「振袖と帯だけで全部だと思った」「訪問着用に袖を短くしてしまった」といったことが起こりやすい、見落としがちな一枚です。
分からないものも含め、振袖に関係しそうなものは一度まとめてお持ちください。使えるもの、足りないもの、寸法直しやお手入れが必要なものを一緒に確認します。
昔の振袖も、帯、刺繍半衿、重衿、帯揚、帯締、髪飾りを替えることで、今のお嬢様らしいコーディネートで蘇ります。
そして振袖は、成人式だけでなく、卒業式、結婚式、結納、パーティーなどでも長く楽しめます。
「ママ振袖にするか、新しい振袖にするか決められない」
「購入とレンタルのどちらが良いか分からない」
「譲り受けた振袖と振襦袢の寸法が合うか見てほしい」
まだ何も決まっていなくても大丈夫です。見るだけ、相談だけのご来店も歓迎しております。
成人式当日を安心して迎えるための第一歩として、まずは振袖一式をお持ちになり、お嬢様に実際に着ていただきませんか。
スタッフ一同、お嬢様とご家族が安心して成人式当日を迎えられるよう、一人ひとりのご希望に寄り添いながら、心を込めてお手伝いさせていただきます。

ふじもとは、おかげさまで創業104年です。永年地域密着の呉服店として、着物を通して家族皆様の記念の日のお手伝いをさせていただいております。
永年のご愛顧に感謝して、これからも頑張ってまいります。







